1. 結果よりも“過程”を認める
子どもが試合で得点したり、勝利したりするとついその結果に注目して褒めてしまいがちですが、育成年代において大切なのは「どのように取り組んだか」です。たとえば、
- パスをもらうためにポジショニングを工夫していた
- 最後まで全力で走っていた
- 仲間に声をかけてチームを鼓舞していた
こうした“努力の過程”を認めてあげることで、子どもは自己肯定感を高め、「次もがんばろう」という気持ちにつながります。結果だけにフォーカスしてしまうと、ミスや負けを恐れてチャレンジを避けるようになってしまうこともあるので注意が必要です。
2. 失敗を責めず、“チャレンジ”を応援する
育成年代では失敗を通して学ぶことが非常に多くあります。たとえば、
- シュートを外す
- パスミスをする
- ボールを奪われる
これらはすべて、技術向上のヒントになるものです。保護者として「どうして外したの！」「ちゃんと見て出して！」などと責めるのではなく、「思い切ってチャレンジしてたね」「どうすればうまくいくと思う？」と問いかけ、ポジティブに捉える姿勢が大切です。
子どもがのびのびとチャレンジできる環境をつくることが、長い目で見た育成の土台になります。
3. 子どもの“主体性”を尊重する
サッカーはチームスポーツであり、自ら考えて行動する力が求められます。そのため、保護者がすべてを管理するのではなく、子ども自身が「どうしたいか」「どうすればうまくなるか」を考えられるようサポートすることが重要です。
たとえば、
- 練習後に「今日はどうだった？」と聞く
- 「次の試合に向けて何を意識する？」と問いかける
- 自分で道具を準備・管理する習慣を身につけさせる
こうした小さな積み重ねが、子どもの自立心や自己分析力を育てていきます。「自分で考えて動ける選手」は、指導者からも信頼され、将来どのポジションでも重宝される存在になっていくでしょう。
4. “比較”よりも“成長”を見守る
「○○くんはレギュラーなのにうちの子は…」「あの子はあんなに点を決めているのに」など、他の子どもと比べてしまうのはごく自然な感情です。しかし、それを子どもに伝えることは、モチベーションの低下や自己否定につながるリスクがあります。
それよりも、
- 「1年前より走れるようになったね」
- 「前はできなかったトラップが上手になったね」
- 「前よりも声が出せるようになったね」
といったように、過去の自分と比べて“成長”を実感させることが大切です。保護者が成長を認めてあげることで、子どもは「努力すれば伸びるんだ」という自信を持ち続けることができます。
5. “応援者”として一歩引く勇気を持つ
ときには、試合で思うような結果が出ず、子どもが悔しさをにじませて帰ってくることもあるでしょう。そんなとき、親として何か言いたくなる気持ちをグッとこらえ、まずは子どもの気持ちを受け止めてあげてください。
また、サッカーの専門的な部分については、指導者やコーチに任せることも大切です。保護者は「応援者」として、子どもの挑戦を後ろから支える存在に徹しましょう。
- 試合中に過度な声掛けをしない
- 練習内容に口を出さない
- 子どもの意思を尊重する
一歩引いた立ち位置だからこそ、子どもが自分のペースで成長していく余白が生まれます。親の信頼が、子どもにとって何よりのエネルギーになります。
おわりに
サッカー育成は一朝一夕で成果が出るものではなく、長い時間をかけて少しずつ積み上げていくものです。そのなかで、保護者の関わり方は子どものやる気や自信に大きく影響を与えます。
「子どもの伸びしろを引き出す」ためには、親が先回りして道を整えるのではなく、子ども自身が考え、試行錯誤できる環境を整えることが大切です。ぜひ今回ご紹介した5つの心得を意識しながら、子どもの成長を長い目で見守っていきましょう。
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